日本では急速な少子高齢化が進み、地域社会の崩壊が懸念されているが、逆転の発想で人口減少社会と向き合うキイワードが、この「地域密着人口」の概念である。

 

地域密着人口とは、主に生活の場が地域となる子供と高齢者の両世代を、足したグループのことを言う。

 

地域密着人口総数はベビーブーム以降、少子化によって減少したが、90年以降は高齢化によって逆に増加に転じている。

 

現役世代を企業戦士として終え、定年後は社会貢献をしたい、或は社会に役立つ仕事をしたいと考える人は確実に増えており、60歳以上では起業理由の2位で、他の世代の6~8位を大きく引き離している。

 

60歳以上の起業が全体に占める割合は、66%で20年前の3倍になっており、起業全体が減少する中、高齢世代の挑戦が際立っている。

 

日本は経済成長の名の下に多くのものを犠牲にし、自殺者の増加や所得格差の無縁社会を招き、幸福感の低い国になってしまった。

 

地域密着人口の増加は、地域の価値を再認識し、地域の持っていた防災・防犯力、教育力、福祉力、経済力を再生させ、人口減少社会の新たな可能性を、大きく広げる起爆剤と成りえる。