IMG_379121日、一般質問の2日目の一番で質問に立った。













IMG_3795下記が一般質問の原稿案である。

継続的に取り組む質問が殆どだが、一定の結果を得るまで角度を変えながらも続けるのが私の信条である。








〇水産振興

(本問)

本年325日の決算審査特別委員会において、約5億円もの巨費をかけて整備したシャーベットアイス製造装置がほとんど利用されていない状況に対して、早急に改善するよう危機感を持って取り組んで欲しいと強く意見を述べた。

 

4月に入ったので確認したところ、執行部から、流通過程における有効性と漁船での利用について検証するとの説明を受けた。約2カ月経過した611日、再度状況を確認すると、コロナウイルス感染症の影響により漁協から延期の申し出があったため仕切り直しとなり、6月中に沿岸漁業者に説明できるよう日程調整中とのことだった。

 

冒頭述べた通り、果たしてこれが早急に改善するという危機感を待った対応なのか甚だ疑問を抱いている。このことについて決算審査分科会や一般質問の議論をふまえ、知事の所見を伺う。

 

〇県有地の利活用

(本問)

 米子港のウォーターフロント活性化については、県有地を活用した官民連携事業の1つとして民間事業者を公募型プロポーザル方式により募集したところ、1グループから「サテライトオフィス」「海・空・道の駅による交流スペース」「ホテル」等を整備する提案がなされ、優先交渉権者に決定したと聞いている。

 

 今後、会社形態や構成員の役割分担及び事業内容の具体化など、行政等との連携体制等について調整のうえ基本協定締結を行うということだが、県としては、米子市や民間事業者と連携して、このエリアをどのように活性化していこうとしているのか、知事の所見を伺う

 

〇工業用水道事業

(本問)

 長年、赤字が続いている企業局の工業用水道事業については、たびたび問題提起を行っているところだが、議論が堂々巡りとなり、有意義な議論となっていないように感じている。そこで今回は企業局では無く、支援を行っている一般会計側の視点で質問を行いたい。

 

地方公営企業は独立採算性が原則とされおり、一般会計から企業会計への出資や長期貸付けも可能とされているが、出資することは一般会計側が経営責任を負うこととなり、長期貸付も適正な利息を伴うべきとされていることから、一般会計側が融資者として債権の管理・回収リスクを負うことに他ならない。

 

鳥取工業用水道については、平成5年の事業着手の前に一般会計と企業会計の間で財政支援の取り決めがされていると聞いているが、日野川工業用水道はこのような取り決めはされているのか。もし無いのであれば、赤字が膨らんでいるからといって、場当たり的に安易な出資を行うべきではないと考えるが、知事の所見を伺う。

 

また、日野川工業用水道については、長期貸付金の利子が免除され、加えて利子償還期限の延長がなされているが、予算措置を伴わないことから議会への説明はされていない。

 

一般会計から工業用水道会計への出資や利子免除、償還期限の延長により、一般県民の負担で工業用水道会計、ひいては利用企業への支援を行っていると言われても仕方ないと思うが、その是非について知事の所見を伺う

 

 

〇公共施設の配置最適化

(本問)

 県と米子市の間では、西部総合事務所新棟や米子新体育館の整備と公共施設配置最適化の事業が進められている。西部総合事務所のPFI事業については、地元事業者が中心となったコンソーシアムが受注し、PFI事業は地元事業者でも主体的に取り組めるという良い先例になったと思う。

 

米子新体育館については、国土交通省の支援制度を活用し、米子市が主体となってPPP/PFI手法の導入可能性調査を行うと聞いている。

 

 県と米子市の公共施設配置最適化の連携の「第一の矢」が放たれ、「第二の矢」もまもなく放たれようとしているが、これまでの取り組みについて、どのように考えているのか、知事の所見を伺う

 

 

 

(追求1)〇水産振興

宮城県女川町では加工業者が1995年にシャーベットアイス設備を導入し、女川漁協では2012年に導入され、漁獲直後から加工、出荷段階まで一貫してシャーベットアイスで冷やし込み、サンマを刺身用として全国に発送することを可能にした。

 

サンマの魚価は一匹10円程度だったものがシャーベットアイス導入後、刺身用では1500円近くまで上昇し、そのため、多くのサンマ船が女川港に集まるようになり、今ではサンマは回転寿司でも御馴染みのメニューとなり海外にも輸出されている。

 

先日、大手回転寿司チェーンの天然魚の担当バイヤーと話す機会があり、回転寿司向けとして、握り寿司用の刺し身、海鮮丼用や海鮮汁用など、魚種と数量に応じて様々な商品提案が可能になると大変興味深い話を聞いた。

 

その際、話題となった鳥取県の小型定置網漁についてお尋ねる。

定置網は定まった位置に網を仕掛ける漁法で、網の目の大きさにより獲る魚のサイズを調整出来るなど、環境負荷の低い漁法だと言われているが、様々な魚種が入ってくることから魚種毎の数量が揃わないことが多く、市場では色物と呼ばれ商品価値の低い扱いを受けている。

 

これらの魚は決して味や品質が悪いいわけではなく、数が揃わないだけで低評価となっており、値段も最低限の処分価格であまり出回らないものとなるが、周辺の漁港から集約させ数や魚種が安定して揃うようになると、寿司ネタなどに利用出来できて飛躍的に商品価値を高めることになる。

 

そのためには鮮度を長時間保つ必要があり、漁獲直後からシャーベットアイスで冷やしこみ1週間以上鮮度を保持することが鍵となる。

 

また、その会議で今後の興味ある寿司ネタとしてハタハタについても話があった。ハタハタの主な捕獲地は、鳥取県沖から隠岐の島周辺の水深180mくらいの場所で、鳥取県東部や兵庫県の底曳船が期間中フル操業している。

 

ハタハタは秋田県が全国的には有名だが、産卵期しか採れないため操業は短期間で、それ以外は鳥取県のハタハタが流通しているのが実態である。その意味からすればハタハタの真の産地は鳥取県ということになる。

 

寿司ネタの条件としては鮮度が重要で、シャーベットアイスで漁獲時から加工段階まで徹底した鮮度管理を行えば大手回転寿司チェーンの流通に乗ることができ、鳥取県産のハタハタを日本中に広めることも可能だとのことだった。

 

このような話があるにもかかわらず、境港のシャーベットアイス設備は殆ど使われず、3本あるタンクの一つは点検口から覗くと苔が付している状態である。

 

メーカに確認したところ、設備の改修費は約1千万円程度、岸壁まで配管したとしても2千万円も掛からないとのこと。速やかな改修が必要だと思うが、知事の所見を伺う。

 

(追及2)〇県有地の利活用

優先交渉権者の提案内容は、現在のコロナ禍もあり、事業が円滑に進むか正直なところ不安も感じている。今回、県有地の売却という方式を取ったことで、PFI方式のような行政主導の事業ではなく、民間事業者が自らの責任で事業を進めていくことになる。

 

臨港地区という公共性や交流人口拡大の観点から見ると、県や米子市の側面的な支援策など関わり方も考える必要があると思うが、知事の所見を伺う

 

 また、未利用となっている県有地は他にも多くあり、昨年11月議会で私が未利用財産の利活用を進めるよう提案を行ったところ。その結果、行財政改革局で未利用・低利用財産の状況を整理したと、先日開催された県有施設・資産有効活用戦略会議で報告されている。これは、利活用に向けた第一歩だと大いに評価している。

 

今後、未利用となっている財産の利活用のサウンディング調査を行うともに、新たに設置した民間提案サポートデスクでも積極的に提案を受け付けるとしているが、具体的にどのように進めていくのか、また、その他の未利用財産の売却や利活用の取組について、知事の所見を伺う。

 

 

 

(追及3)〇工業用水道事業

知事は「産業振興のためには一般会計からの支援も必要」と言われるが、地方公営企業法第17条の2では、「地方公営企業の経費は経営に伴う収入をもって充てなければならない。」とある。

 

逐条解説には「地方公営企業は財政的に親ともいうべき一般会計に頼る傾向がある。一般会計への依存傾向を断ち切ろうとするのが本項の規定の趣旨である。」とも書いてある。

 

加えて第18条の2には、「地方公営企業は、長期の貸付けを受けた場合には、適正な利息を一般会計に支払わなければならない」と書いてあり、逐条解説には「長期貸付に対して利息を支払わないということは、その利息相当部分を一般会計に負担させることになり、経費負担の原則に抵触することになる」、「利息は一定の利率をもって必ず支払わなければならないものであり、利益の状況に応じて支払ったり支払わなかったりするものではない」とも書いてある。

 

  つまり、出資や利子免除、償還期限の延長といった支援が当然という考え方は間違いである。

 

また、総務省の「令和元年度地方公営企業年鑑」を見ると、全国の工業用水道事業では、経常損失を生じた事業の割合が155事業中24事業で15.7%、裏返せば約85%の工業用水道事業は経常利益をあげ黒字となっている。

 

また、累積欠損金を有する事業は21事業で13.5%であり、この中に当然、本県も含まれているが、逆にこちらも85%以上の事業は累積欠損などない健全経営となっている。

 

知事は、「工業用水道事業は赤字でもやむを得ない」ということで説明されるが、全国の状況をみると必ずしもそうではない。経営の良し悪しの問題と言うことになる。

 

企業局の経営プランによると、「国補助制度の有効活用や利用料金の見直し、他部局と連携した一般会計からの継続的な支援等の財源確保策を検討し、PPP/PFI手法等の導入や近隣事業者との広域的運用など抜本的対策を検討とあるが、一般会計側からみた企業局の経営努力に対する評価について知事に伺う。

 

また、鳥取工業用水道、日野川工業用水道とも赤字が続いているにもかかわらず、平成17年度以来、16年間もの長きにわたって1回も料金見直しがなされていない。また、民間活力導入も含めて、十分な経営努力がなされているとも思えない。

 

 利子免除や利子償還期限の延長の条件としては、企業局が自ら経営プランの中で表明している「利用料金の見直し」や「PPP/PFI手法など民間経営手法の導入」「近隣事業者との連携による広域的運用」といった抜本的な経営改善の実行を求めるべきだと思うが、知事の所見を伺う。

 

 

(追及4)

企業局が自ら経営改善を表明しており、最低限、これらが履行されているかどうか監視、監督するのは出資者、融資者としての義務であり、一般会計側の責任だと思う。

 

また、本来、知事は企業会計の管理者でもあり、知事自らが経営改善を行い工業用水道会計の将来に道筋をつける責任がある。その点は強く言いたい。

 

〇公共施設予約システムについて

 今議会で公共施設予約システムの改修の予算が提案されている。県と米子市で新体育館を整備するとしているが、インフラが出来上がってもソフトが伴わなければ仏作って魂入れずということになる。

 

当然、各市町村は自分の中だけで施設を使わせたいと考えると思うが、広域連携が求められる中で、それは単に行政目線であり利用者目線ではない。

 

米子市に対しても体育館整備で連携するなら、システムでは代わりに協力してよ、というくらいの姿勢で臨むべきだと思うが。知事の所見を伺う。

 

 (追及5)

〇公共施設配置最適化

米子新体育館整備の基本計画策定に向けて設置された「鳥取県・米子市新体育館整備検討委員会」の中で、委員の一人から「東山公園内の東山水泳場と皆生市民プールを集約することができないか」という問題提起がされた。

 

共に老朽化が進む県営東山水泳場と市営皆生市民プールについて、県と米子市の公共施設配置最適化の連携の「第三の矢」として、将来的な統廃合も含め検討すべき課題だと思うが、知事の所見を伺います

 

 

(追及6)

〇工業用水道事業

今月3日に開催された県有施設・資産有効活用戦略会議において、「電気事業は、事業譲渡の可能性を重点的に検討し、他県導入事例も参考にしながら、譲渡条件を設定の上、民間事業者に対するサウンディングを実施する」、また、「工業用水道事業については、工業用水道の廃止を前提に、他県導入事例も参考にしながら上水道による代替のシミュレーションを実施し、関係する上水道事業者に対してサウンディングを実施する」との方針が出された。

 

これは業界紙でも取り上げられているが、私は、知事が行財政改革として、従来とは異なる企業局の抜本見直しのステージに踏み込んだと考えており、大変評価している。

 

 私は直ちに工業用水全てを廃止すべきとは考えていない。将来的な廃止の方針を打ち出したうえで、「今後の大規模更新は行わずに、徐々に上水道や地下水利用に切り替えていく」「企業に対しては別の形で支援する」という合理的な対応が持続可能な行政経営だと考えている。

 

今後の行政は「賢く縮んでいく」つまり、「スマート・シュリンク」が重要だと考える。知事の公共施設配置最適化や企業局の抜本的な見直しに向けた意気込みを伺う