IMG_2286私の6月定例会の一般質問は、23日の3番目で午後から始まった。










IMG_2287通告した質問項目は、①コロナ禍における社会機能の維持とアフターコロナについて、②経済の閉塞感打破に向けた県有資産の活用についてで、知事、教育長、警察本部長と議論した。








IMG_2288特に県有資産の活用で、文化観光施設の管理方法や企業局の運営について追及を重ねた。

下記が一般質問の原稿案である。








1、コロナ禍における社会機能の維持とアフターコロナの地方創生について

質問の前に、新型コロナウイルス感染症の発生以来、常に先手を打ちながら感染症対策に取り組んでこられた平井知事を始めとする県庁職員の皆様に対し、深甚なる敬意を表したいと思います。

 

さて、本定例会では、中島議員の自民党代表質問を筆頭に多くの議員から新型コロナウイルスの質問がありましたが、敢えて言わせてもらえば、ゼロリスクを求めていては日常や経済は完全に疲弊するという危機感であります。

 

確かに懸念される第2波の襲来に備えて、感染の拡大予防や医療体制の確保は勿論のことですが、今後は傷んだ日常や経済を如何に取り戻していくかが極めて重要になると思います。

 

経済は生き物だと言われますが、その血流が悪くなると体の機能に変調をきたし、やがて命の危機にさらされることとなります。生命を維持するには血液の循環が不可欠であり、日本経済はもとより世界のグローバル経済も同じ原理で動いていると思います。

 

新型コロナウイルスはパンデミックの過程において、それぞれの国の弱点を突いて蔓延し、その国が持つ社会機能の脆弱性を明らかにしました。


当初は中国の問題と考えられていましたが、グローバル化の進展もあり、あっという間に世界中に広がり、中でも大打撃を受けたのが米国で、既に感染者数は累計で220万人を超え、死亡者も11万9千人と最も多く新型コロナウイルスの猛威にさらされています。

米国で感染者、死者数とも3割以上を占めるのが世界の大都市ニューヨークで、感染症対策では世界最強と言われる米疾病対策センターがあり医療レベルは高いと思われていましたが、ニューヨークの人口密度や生活様式、格差問題や医療保険制度等々、新型コロナウイルスはその弱点を見逃しませんでした。


我が国に於ける感染者数の割合を見ても東京が同様に3割以上を占めており、パンデミックと大都市の関係を際立たせました。


戦後の成功モデルとして繁栄を極めた東京の一極集中ですが、密集した都市構造の持つ危うさや医療体制の脆さも露呈し、集中が故に社会機能の維持すら出来なくなるリスクを実感させました。

 

そこでお尋ねします。この度のコロナ禍において、東京の対局にあったのが我が鳥取県だと思いますが、知事には、県庁の業務体制の維持をどのように進められたのか、また、教育長には、学校の教育機能をどのように維持されたのか、そして警察本部長には、警察本部や各警察署における業務体制をどのように整え対応されたのか、それぞれご所見を伺います。


このような中ですが、530日に米子市の山口組系大同会幹部が岡山市の神戸山口組系池田組の幹部を銃撃する事件が発生し、暴力団抗争に発展するのではと米子市民は不安の日々を送っています。

県警察としてコロナ禍にあって住民の不安を払拭し、地方創生の大前提となる安心安全を如何に担保されるのか、併せて警察本部長にお尋ねします。


次にアフターコロナの地方創生について知事にお尋ねします。2018年の国連報告書によると、1950年代に30%に満たなかった世界の都市人口が現在では55%に増え、2050年には68%になると予測されています。

 

あらゆる施策を投入しても止まらなかった東京への一極集中ですが、皮肉にも新型コロナウイルスがその流れにブレーキをかけるのではと感じています。

 

実際、新型コロナウイルスの影響で首都圏や都市部で地方への移住やUターンの機運が高まっており、コロナ終息後を見据えて今からしっかりと準備する必要があると思います。

 

都市部から人を呼び込むためにはキラリと光る魅力が必要であり、その点で言えば、鳥取県には他に引けを取らない大自然や人との絆もありますが、やはり最後に決め手となるのは仕事と収入だと思います。

 

今回のコロナ禍において、リモートワークが可能なことが証明されました。本議場でも副業兼業の取り組みや高齢者就労の推進について知事と議論を交わして来ましたが、今の仕事を変えなくても地方に住んでワーケーション等、様々な方法が採れるということがはっきりと分かってきました。

 

これらのポイントで他の自治体との差別化を図ることが鳥取県への流れを加速させると考えますが、知事は如何お考えでしょうか。また、その差別化や受け入れ体制の整備に、どのような手段を講じるのか、併せて知事のご所見を伺います。

 


2、経済の閉塞感打破に向けた県有資産の活用について

様々な識者が述べている通り、今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、時代の大きな構造変化を象徴する出来事であり、これまでも必要性はわかっていたが、なかなか実現出来なかったものが、新型コロナという強力な外圧によって動き始め、更には加速して行くということだと捉えています

 

今定例会でもコロナ禍がもたらす社会変革に関して様々な議論がありましたが、地方への分散は不可逆的な流れであり、財政力が乏しく社会的インフラが立ち遅れている地方にとって今まで以上にあらゆる分野での連携がより重要となります。

 

その大きな柱が官民連携や自治体間連携であり、鳥取県は全国に誇れる先進県だと確信しています。今般のコロナ禍で官の役割を増やす「大きな政府」の議論がありますが、感染症はやがて終息することを考えれば一過性の議論でしか無く、目指すべきは筋肉質でスリムな政府であります。

 

そこでお尋ねします。今定例会でとっとり花回廊の委託費について補正予算があがっていますが、指定管理料が1割以上増加しています。農林水産部に聞くと、「入園者の減少により収入が減少しており、収入と支出の相差を指定管理料として負担する必要がある」とのことでした。

 

過去10年間の年間入園者数をみると、平成21年度の約41万人から減少傾向が続き、平成27年度にはイルミネーション事業の効果もあり、約39万人に回復したものの、再び減少傾向となり、平成30年度は31万人に落ち込んでいます。

 

平成18年度より鳥取県観光事業団が本施設を管理していますが、過去には補助金でイルミネーションを整備したり、令和2年度当初予算では、「とっとり花回廊魅力向上特別対策事業」で約4,300万円を負担して施設改修や情報発信、他の観光施設との連携を図るなど、指定管理料とは別の県費負担で誘客に取り組んでいるのが実態です。

 

本来、指定管理者制度では指定管理者が施設の維持管理はもちろんのこと、施設の利用促進などを行うこととしていますが、指定管理料の県費負担も増加しており、とっとり花回廊ではその成果が十分に上がっていないと考えます。この点について、知事のご所見を伺います。

また、平成312月補正予算で「観光文化施設運営に関する民間活力導入可能性調査」が実施されましたが、その結果はどのようなものであったのか、知事にお尋ねします。


次に、今議会で県の水力発電施設について、運営権を設定する議案が提案されています。4施設の管理運営がコンセッション事業者に委ねられることによって、企業局の体制はどのように変わるのか、知事にお尋ねします

 

また、この4施設以外に企業局所有の発電施設が17施設(水力8、風力1、太陽光8)ありますが、今後、これらの発電施設をどのように管理していこうと考えておられるのか、知事にお尋ねします

 

最後に、工業用水道事業についてお尋ねします。昨年11月の私の代表質問に対し、知事は工業用水道事業について、「デューデリジェンスの話もあるが、経営のあり方の検討なども同時並行で進めてまいりたいと」と答弁されています。また、私からも抜本的な改善策も提案させていただきました。その後どのような検討がなされたのかお聞かせください。

 

 

追及質問1

初めに、発電施設ですが、特に太陽光発電については、民間事業者が数多く手掛けており、県が積極的に運営する必要性は低いと考えます。思い切ってこれらの太陽光発電施設を民間譲渡するとともに、さらに企業局のスリム化を図ってはどうかと考えますが、知事のご所見を伺います。

 

次に、5月29日の政調政審の際に、花回廊の指定管理のような大きな事業が当初では無く6月補正なのかと担当課に尋ねたところ、導入可能性調査の検討に時間を要したと答弁されましたが、何故その結果報告もせずに更に1割以上も契約額を上げて再度5年間の指定管理を行おうとされるのか。今後の手続きの中で見直す必要があると思いますが知事のご所見を伺います。

 

追及質問2

工業用水について、PFI導入可能性調査及びデューデリジェンス調査の結果により、一般会計の追加負担の前提で工事付き包括委託の導入の可能性が示されていましたが、現在の検討状況はどのようになっているのか、知事にお尋ねします

 

また、11月議会において、民間事業者による井戸の掘削への補助や、事業者への水道料の補助等についても方法として提案しました。鳥取工業用水道、日野川工業用水道はそれぞれ鳥取市、米子市の上水道の給水区域となっていることや、鳥取市水道局、米子市水道局は小規模ながら工水事業を直接行っていることから、それぞれに管理業務を委託したり、施設を譲渡することでコスト縮減を図られることも考えられます。

 

このように全く別の視点での企業への水の供給ということも考えられると思いますが、これらの手法について知事のご所見を伺います。

 

最後に、昨年11月議会の私の代表質問に対し「企業努力をしていく、営業を積極的に行っていく。」という答弁がありましたが、そもそも工業用水会計は大口ユーザーの使用量の減少などにより、赤字決算が続く厳しい状況だと認識しています。

 

既存ユーザーの使用量の増加や上水道を利用する事業者への工水切替等で収支改善が図られるレベルではないと考えます。産業を支える重要なインフラであることは十分承知していますが、毎年計上される2億円程度の経常損失、35億円にも上る累積欠損額を考慮すると、経営の持続性を確保することはもはや困難ではないかと感じます。

 

また、工業用水事業については、令和2年度の予算説明資料によると業務に従事している職員は「2人」となっていますが、これだけの規模のものを管理運営するのに2人ということはありえないと思います。

 

工水会計として適切な費用が計上されているのか。粉飾決算とまでは言いませんが、実際には工水事業が更に赤字額が大きな事業となっているのではないでしょうか。将来の県財政への負担を考慮し、早急に抜本的な見直しを行う必要があると思いますが、知事のご所見を伺います

 

追及質問3

「東京都は工業用水の需要減少と老朽化更新等について抜本的な経営改革を検討してきた結果、維持する場合、8倍の値上げが必要となり上水道料金を上回ることから、令和5年、工業用水を廃止して上水道に一本化するとして平成31年から順次切り替え工事を行っています。当然、研究されていると思いますが所感があればお聞かせ下さい。

 

水力発電のコンセッションの時もそうでしたが、当初、企業局は出来ない理由を並べて日野川第一を加えることを徹底的に拒みました。その際の湊局長との激論を知事も覚えておられると思います。

 

また、米子市のバイオマス発電への給水を実績に挙げられますが、FIT期間が終了する20年後から管路の維持管理はどうするのでしょうか。残念ながら組織防衛の発想が優先し県民目線が欠如していると感じます。

 

東京都の事例も含め民間活力導入の検討を県有施設・資産有効活用戦略会議で早急に検討し、最後は政治が決断しないと物事は動かないと思いますが、知事のご所見を伺います


追及質問4
自民党鳥取県連は、政務調査活動として全国に先駆けて新型コロナウイルス感染症対策のWEB会議を、5月11日、27日、6月3日の3回実施しました。感染症対策で日夜奮闘される医療福祉関係を始め、商工、交通、観光、宿泊、飲食、農林畜産水、建設等の県内15団体の生の声を聞きました。


国会の開会中でしたが、石破県連会長を筆頭に、赤沢衆議院議員、青木参議院議員、舞立参議院議員に議員会館からオンラインで参加していただき、県連事務所では斉木幹事長、浜崎総務会長と私が対応しました。

3回のweb会議の様子はユーチューブ配信しておりますので、ご覧いただければ幸いですが、15団体からのご意見や要望は、国政はもとより県議会自民党の会派要望や政調政審を通して、速やかに県政に反映するよう知事並びに執行部にお願いしたところです。

通常、緊急事態宣言下でこれだけのメンバーが一堂に会し3回も実施することは限りなく不可能であり、コロナ禍で必要に駆られてのことでしたが、WEB会議の有効性を再認識し、アフターコロナのスタンダードになり得ると実感したところです。


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会議で石破県連会長は「平井知事と共に、コロナ対策も、新しい日本も、鳥取県が創る。」と言われました。我々県議会自民党も一丸となってこの難局に立ち向かってまいりますので、最後にアフター・コロナの地方創生に向けた平井知事の決意を伺って質問を終わります。