1、      文化財の保護と環境整備、活用のあり方について

 

文化財保護法は、文化財を保存し,且つ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資すると共に、世界文化の進歩に貢献する事を目的として昭和25年に制定され、平成16年、保護対象として文化的景観や民俗技術を追加し、登録制度の拡充として、有形民俗文化財や登録記念物等が加わる一部改正がされています。

 

法によると文化財とは、我が国の歴史・文化を理解する上で欠く事のできない貴重な国民の財産であり、未来の文化の創造・発展の基礎となるもので、これを保存・活用し後世に引き継ぐ責務があると定義されています。

 

今年は徳川家康の400回忌に当たり、近年の全国的な城ブームを背景に、急増する「歴女」と外国人旅行客が城ブームを後押しする中で、本年7月,松江城天守が正式に国宝にも指定されました。

 

観光やまちづくりに及ぼす波及効果は計り知れないと思いますが、JR米子駅から北西に11KM、徒歩で15分の場所に位置し、松江城に先立つこと10年、戦国末期の慶長6年(1601年)に出雲東部、伯耆西部、隠岐の領国経営の拠点として、山陰地方で他に先駆け築かれた近世初期の城郭であった米子城を思う時、歴史の試練を乗り越えて残ったものと、時の利害で消え去ったものの大きさを感じずにはいられません。

 

「目に見えないものは、人々の記憶から忘れ去られていく」との先人の言葉は大変重たいものがありますが、文化財保護の意義について知事及び教育長の見解を伺います。

 

次に文化財に関連する環境整備についてお尋ねします。

地域に点在する文化財について、その歴史的経緯や地域の風土に根差した風習や伝承等、往時の暮らしを理解する上で特に重要となるのが、文化財を取り巻く周辺地域の一体的な環境整備です。

城下町を例に挙げれば、特に重要となるのが城郭と言われる内堀の中に位置する区域で、本丸、二の丸、三の丸等で構成される城の本体部分であり、次に内堀と外堀の間の部分の武家屋敷等、更には堀外の町人町に続く町割りにあると言われています。

 

地域に歴史を実感させるものがあるかどうかは、その地域の精神を端的に表し、地域の価値や魅力を形成する大きな要素であり、文化財に関連する周辺地域の環境整備は極めて重要だと思いますが、知事及び教育長の見解を伺います。

 

次に文化財の活用のあり方についてお尋ねします。

文化庁では、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化や伝統を語るストーリーを日本遺産として認定し、有形無形の様々な文化財群を活用する取り組みを支援しており、訪日外国人旅行者が急増する中で、旅行者が日本全国を周遊し、地域の活性化に結びつけるため、2020年までに100件程度の認定を予定しています。

 

鳥取県では昨年、三徳山から三朝温泉にかけて三朝町単独の地域型で初の日本遺産認定となっています。 今年は開山1300年を迎える大山を核として、大山町、伯耆町、江府町、米子市の13町がシリアル型で申請するとの事で、地域型に対し広域での取り組みとなる事から、県の役割が今まで以上に重要になると思いますが、現状の取り組みと課題について、知事の所見を伺います。

 

追及質問1}

国指定史跡である米子城跡について、昭和52年に市史跡に指定され、その後、平成18年に国史跡に指定されていますが、初めに、その歴史的、文化的価値についてお尋ねします。 合わせて、追加指定範囲に計画されている、三の丸、深浦、出山について、内堀内で城の中枢域であり一体をなすものだと思いますが、歴史的、文化的価値について、文化庁との協議も含めどの様な認識なのか教育長に伺います。

 

   米子城を中心に形成された城下町を理解する上で、江戸時代には米子湊と呼ばれていた現在県管理の米子港から、外堀の位置と一部が重なっている旧加茂川、また、その周辺地域に広がる小路や建築物等は、往時の街並みを理解する上で必要不可欠であり、開発を逃れて現在に残っているのはまさに奇跡的な国家財産とも言えます。今後の米子港や旧加茂川の整備や活用について、歴史的、文化的観点からのアプローチが重要であり、観光の側面からも、米子城を中心に据えた考え方が必要だと思いますが、知事及び教育長の見解を伺います。

 

三の丸(湊山球場敷地)について、鳥取大学副学長、医学部長、病院長の連名で、屋外体育施設や駐車場、或いは今後の建て替え用地として、整備の上、提供願いたいとの要望書が米子市に対して提出され、現在、その対応について協議されていますが、周知の埋蔵文化財包蔵地で、現在の国史跡と同等の価値がある三の丸の提供を求める要望内容について、教育長の所見を伺います。

 

{追及質問2}

 

   米子港について、米子市中心市街地活性化基本計画の1期計画では漁業・マリーナゾーンに位置付けられていましたが、2期計画からは削除されています。 国交省の中海護岸堤の嵩上げ工事が迫る中で、関連施設のあり方も含め今後の活用策について、早急に検討する必要があると思いますが、知事の見解を伺います。

 

   平成2311月、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の一部改正が施行され、同年12月、鳥取県から各市町村に対し通知されていますが、地方公共団体の国や独立行政法人等に対する寄付金等の取り扱いについては、同年11月の閣議決定において、昭和23年の「官公庁に対する寄付金等の抑制について」の閣議決定を引き続き遵守するよう求めています。 最近では新国立競技場の整備問題で、国の事業に対する東京都の整備費の支出が、住民訴訟の対象となる恐れがあるとの懸念も示されていますが、法の趣旨に照らして、この度の鳥取大学の要望内容をどの様に判断され対応されるのか、知事の所見を伺います。

 

{追及質問3

鳥取大学医学部に対する米子市の支援に関して、近年では平成16年、県西部救急医療推進協議会の設置に伴い、医療機器整備について2400万円、平成21年、救命救急センターの移転に際し中海市長会を通じて6900万円、平成23年から3年間、とっとりバイオフロンティアの派遣職員の給与負担等の財政支援があります。 また、平成22年の湊山球場敷地使用に関する要望書に対しては、隣接の私有地1820㎡を駐車場用地として無償貸与しています。 平成25年、県は鳥取大学との間で、相互の緊密な連携と協力により、地域の課題に適切に対応し、個性ある豊かな地域社会の形成と発展に寄与する事を目的に協定書を交わされています。 米子市文化創造計画や中心市街地活性化計画に位置付けられ、現在、保存活用計画を策定中の周知の埋蔵文化財包蔵地、湊山球場(三の丸)に対して、グランドと一部駐車場に整備して提供を求める要望について、連携に関する協定を締結する当事者として、また鳥取県の文化行政の長としても判断を示す責任があると思いますが、再度、見解を伺います。

 

{追及質問4

   文化財に関して、常に議論されるところに開発か保護かの論点があります。 文化財は往々にして即時的な生産性が乏しく、それらを取り巻く時の利害関係で議論されているのが現実であり、もの言わぬ文化財にしわ寄せが来るのが実態であります。 しかしながら経済的側面からしても姫路城や松江城の例に見られる様に、貴重な文化財を保護・保存することによる経済効果は計り知れないほどのものです。 文化財は破壊することで二度と作れず、また、安易な開発は、後世の人々の受ける様々な恩恵や権利をも奪い去る行為だと言えます。 貴重な文化財を守り、後世に伝えていくことが行政の使命でもあり、地方創生の理念に叶う、その地域が持つ本当の価値、独自の魅力(オンリーワン)だと思いますが、知事及び教育長の見解を伺います。