11月24日、蒼生会の市政報告会が所属議員の支援者を中心に、赤沢副大臣、舞立参議院議員、米子正副市長を来賓に迎え開催された。
市政報告会は渡辺議長の司会進行で、7名の所属議員によりそれぞれ2項目計14項目について、会派の27年度市政要望書に沿って報告された。
議会基本条例の策定に際し会派の意義が厳しく問われた前議会において、議員個人では無く会派としての政策課題を取りまとめ報告するとの趣旨で実施され今回で3回目となる。
6月の選挙以降、7月議会や決算審査を含めた9月議会と過密な日程の中で、実施した事は評価に値するが、報告内容については準備不足の感は否めなかった。
配布された市政要望書や報告された14項目を聞いていると、今迄と項目名は同じだが内容が全く異なっている点が少なからずあった。
議員構成が変わったので変更・見直しもあるとは思うが、今迄の経緯を踏まえ検証しなければ、単に場当たり的と言われても仕方あるまい。
中には会派の政策課題として如何なものかと感じる項目もあったので、老婆心ながらここに指摘しておきたい。
初めに行革について、27年度市政要望では公共施設マネジメントの取り組みが急務との事だが、既に終わった議論であり、公共施設総合管理計の策定に向けて取り組んでいるとの当局回答は皮肉にしか聞こえ無い。
次に、米子境港間の高規格道路について、その必要性については前議会から指摘しており、整備手法を論じる前に、米子市としての考え方について議論を深める事が重要であろう。
次に職員の専門性について、育成から外部登用にシフトすべきと指摘していたが、今回は逆に育成に戻っていた。
次に公民館のあり方について、単に施設のあり方は二義的問題で、本質は地域コミュニティーの再生であり、集合住宅等の問題を指摘しているが、現実的対応としては一面に過ぎず、住宅政策等を含め総合的な観点から議論すべきである。
次に米子城整備について、様々な観点から史跡公園化を推進すべきとしていたが、観光の観点から米子城復元運動に傾いており、計画との整合や実現性について大いに疑問を抱いた。
次に米子駅南北一体化と駐車場事業について、事業の進捗状況の説明に留まったが、だんだん広場を含む米子駅周辺の活用案を一つ二つ提案する力量が必要だと感じた。
次に報告にはなかったが入札・契約事務について、入札不調の問題を挙げ、建設業者の疲弊と技術者不足、発注の平準化・適性化を挙げているが、文章と内容が整理されていない。
また、委託契約の検証を進め、適切な契約に努められたいとの的外れな要望に対し、最低制限価格の見直しと導入の拡大、地元企業優先の堅持との当局回答は立派だと感じた。
次に公会堂及びふれあいの里の駐車場について、不法駐車対策も必要だが、根本的な対策として施設全体のあり方を見直すべきと指摘しており、先ずはその後の検討状況を報告すべきである。
次に耕作放棄地対策及び中間管理事業について、関係機関との連携、国県補助の活用等とあるが、少なくとも現状の問題点や今後の課題程度は指摘するべきであろう。
次に、子ども子育て新制度と小中一貫教育の推進について、今後の少子化に関連して想定される環境整備(施設の統廃合を含む)について、議論の進展が見られないのは残念であった。
次に、婚活サポート事業について、以前から指摘している通り、市政報告に値する課題とは思えない。
次に道徳教育の推進と市街化調整区域の開発基準の緩和について、個々の思いの前に何れも正しい理解が必要だと感じた。
以上、今後に期待を込めて叱咤激励の思いで述べてきたが、発した言葉に責任を持つのが政治であり、その場限りの付け焼刃では会派の意義が失われる。