2013年11月

「12月定例会、質問通告」

    28日、12月定例会の質問通告を下記の内容で提出した。 私の質問日は各個質問の3日目で12月6日の5番目、午後2時~3時頃が予想される。

 

1)       流通業務団地の騒音規制について

① 規制基準の設定の経緯について

 ② 現状の問題点と見直しについて

 

2)       一般廃棄物収集運搬業務について

① 委託契約の内容について

  ② 委託業者の執行状況について

       委託業務の契約方法について

 

3)       公共施設・インフラの適正管理について

① ストックの現状と更新費用について

② 事後保全と予防保全について

③ 公共施設、ストックのマネジメント計画について

 

4) 中海架橋について

 ① 費用便益調査について

 ② 米子・境港地域道路のあり方勉強会について

 

「松江市公共施設適正化講演会」

26日、松江市主催の公共施設適正化に関する講演会に参加した。


能海副市長の主催者挨拶。

 

 

 

 







 

能海副市長の主催者挨拶の後、乙部公共施設部長から、「松江市の現状と課題」について報告があった。


松江市では、公共施設マネジメント白書を作成し、本年7月に公表しており、現在整備方針・計画の策定に取り掛かっている。

 

 

 





 

「なぜ公共施設マネジメントは必要なのか」の演題で、東洋大学の根本教授による講演を聞いた。


講演の最後に、オイルショックを通して省エネが普及した事例を挙げ、これからはストックを抑制する「省ストック」の時代だと結論付けた。

 

 

 





 

平成の大合併を成し遂げ、さらに東出雲町との合併を成立させ山陰初の特例市となった松江市は、国際観光都市としての知名度を一段と高めた。


その反面、広域合併のもたらす弊害として、急速な少子高齢化と人口減少の中で、多くの老朽化した施設やインフラを抱え込む事に陥ってしまった。


老朽化した施設やインフラを修繕したり耐震化しても、更新時期は必ずやってくる。 判断の先送りは、笹子トンネル事故の様に物理的崩壊を招くか、財政破綻に突き進むかだけの事である。

 

「蒼生会、市政報告原稿その③」

「行財政改革問題等調査特別委員会」

◎中期財政見通しについて

・減少が予想される歳入状況

 初めに、市税の推移と見通しについて、個人法人税については、平成20年をピークに約55億円の減少、法人市民税も平成18年をピークに約5億円減少、固定資産税は平成17年と比較すると118億円の大幅減少、その後に関しては景気動向が見通せないため概ね横ばいで推移すると見込んでいます。

 

 次に、普通交付税と臨時財政対策債の推移と見通しについて、平成16年から19年までは減少しましたが、20年から増加しその後は毎年増減を繰り返しており、25年度においては前年対比、約2億円の減少を見込んでいます。 

 

 また、合併特例債の算定替えにより、27年度から5年間で減少し、31年の終了後は、単年度で8億円もの減少が見込まれ、大きな影響を受ける事が確実であります。

 

 次に、地方債残高の推移と見通しについて、臨時財政対策債の借り入れが多いことから、減少幅は緩やかになっており、今後の税収や交付税の減少を考えると、相対的に交付税負担は重くなります。

 

 次に、基金残高の推移と見通しについて、財政調整基金については平成18年度末に約2億円までお落ち込みましたが、その後持ち直し毎年2億円程度の基金を積み立て、その後も継続する方針ですが、27年度以降の一般財源の不足から29年度末の24億円をピークに取り崩しが続くと見込まれています。

 

・財政運営の課題

 次に、今後の財政見通しについてですが、歳入歳出差引は平成28年度から不足額が生じ、平成30年度からは、投資的経費を45億円と想定した場合、歳入歳出差引の不足額が拡大し、財政調整基金を散り崩して収支の均衡を図っており、危機的状況は脱したものの、引き続き厳しい財政運営が続くと予想されます。

 

◎公共施設マネジメント白書について

・公共施設のあり方と有効活用

 厳しい財政状況の中、施設の維持・更新については総量抑制の考え方を基本とし、統廃合も含め今まで以上に集中と選択が厳しく求められると思います。

 

 また、施設の有効活用に関しては、ファシリティーマネージメントの概念を導入し、施設機能の見直しや多機能化も含め、あらゆる角度からの活用の検討が必要となり、制度や設置条例の見直しも急務だと考えます。

 

・マネジメント計画の重要性

 地方自治法第2条の第15項では、地方公共団体は組織及び運営の合理化に努めると共に、他の地方公共団体に協力を求めて、その規模と適正化を図らなければならないとしています。

 

また、第30次の地方制度調査会の中間報告では、市町村を都道府県が保管する垂直的補完から中核市等の大きな自治体が、周辺の小規模市町村を補完する水平的補完の議論が展開されています。

 

この様な観点から、ファシリティーやアセットマネージメントの取り組みを単独の市町村に留まらず、周辺の市町村に広げ、自治体間の連携と協力の中で進めていく必要があると思います。

 

「蒼生会、市政報告原稿その②」

◎社会資本の整備について

・急速に老朽化を迎える社会インフラ

 大半の公共建築物が概ね50年を迎え、老朽化が著しくなってきており耐震化や大規模修繕に多くの予算が割かれています。 

 

米子市の約300ある公の施設の調査報告では、耐震化を含む大規模修繕の経費試算として、平成19年からの15年間の合計で約240億円、一般財源で81億円が必要としています。 

 

これだけでも財政的に困難と思われますが、将来の建て替えの更新費用を考えれば、現状を維持する事は誰の目にも不可能だと映るでしょう。 

 

米子市では平成27年度末を目途として、学校施設の耐震化を優先させていますが、将来の建て替えは耐震化の有無に関係なく迫ってきており、少子化の問題と考え合わせれば、施設の統廃合は避けては通れない問題であります。 

 

また、市民体育館や地区体育館、公民館や福祉施設、文化施設等々、挙げ出したら切がありませんが、共通して言える事は全ての施設が建て替え時期を迎えるという事であります。 

 

今後厳しさを増して行く財政状況の中で、全てを適切に維持更新していく事は不可能で、適切に維持管理すると言う発言は極めて無責任であります。 必要不可欠な施設を適切に維持管理するためにも、今後は統廃合の議論に踏み込まざるを得ません。 

 

・長寿命化計画と将来の更新コスト

 米子市では、約650橋あるうちの狭長10メートル以上の橋梁124橋を対象として、従来の対処療法的な修繕から計画的な予防修繕を実施し、133億円想定されていた更新・修繕費を99億円に減少させる長寿命化計画を策定しています。 

 

然しながら公の施設と同様に、将来の更新費用は全て考慮されておりません。 橋梁の架け替えとなれば、仮設の橋を架けたり、新橋の完成後に仮設の撤去をしたりで費用は膨れ上がります。 

 

長寿命化対象橋の124橋だけでも200億円以上掛ると思われ、その他の500余りの橋梁を含めれば莫大な事業費が想定され、ここでも統廃合の議論は避けて通れない課題だと思います。

その③に続く。

 

「蒼生会、市政報告会原稿その①」

さる23日の行われた、蒼生会市政報告会で私が担当した建設水道委員会と行政改特別委員会の原稿です。

 

「建設水道委員会」

◎上下水道事業について

・急速な少子高齢化と人口減少社会

 日本では昭和の高度成長期から平成のバブル期に至るまで、経済の発展と人口の増加を背景に、農地や山林が開発され急速な都市化が全国的に進みました。 

 

まちの拡大と共に多くの公共施設が整備されて来ましたが、中でも私たちが生活するうえで基盤となる社会インフラは上下水道と言えます。 

 

おいしい水として全国でも有名な米子市の水道事業は、大正15年から一般給水を始め、昭和33年に境港市、昭和57年には日吉津村を整備区域に編入し、平成17年の淀江町との合併を経て今日に至っております。 

 

この間、水需要の増大と共に取水施設や配水施設は拡大の一途を辿ってきましたが、近年の急速な少子高齢化と人口減少、或いは節水型機器の普及と共に、水需要は平成15年をピークに減少に転じております。 

 

また、近年の異常気象や自然環境の悪化は、水資源にも深刻な影響を与えており、豊かな水資源を享受してきた米子市も、未来永劫続くとは言い難い状況にあり、適切な保全と共に、スリムな経営体質も強く求められるところであります。 

 

次に、米子市の下水道事業ですが、昭和44年に事業認可を受け今年で43年が経過しました。 

 

この間、1200億円もの事業費を投じ、内浜・皆生の処理施設や管渠整備を進めてきましたが、年間20億円程度の現在の事業費ベースを維持したとしても、完了予定の平成48年までに、後490億円もの事業費が必要となります。 

 

中・長期計画の下、平成28年の赤字解消に向けて、使用料の値上げにも踏み切りましたが、少子高齢化と人口減少の中、今後、人口密度の低い市街化調整区域の面整備に向かって行く事は、今まで以上に効率的で効果的な整備手法と事業運営が求められるのは、改めて言うまでもありません。 

 

また、下水道管の標準的な耐用年数は50年と言われていますが、全国の下水道統計によると、管渠施設は布設後、約30年が経過すると、道路陥没等の事故を起こす割合が急激に増加する事が分かってきております。 

 

日常生活や社会活動に重大な影響を及ぼす事故を未然に防止するためにも、計画的な点検調査や改築・維持補修を図る事は喫緊の課題であります。 

 

この様に効率的且つ戦略的な事業運営をするためには、保有する資産を的確に把握し、様々な経営指標に裏付けられた効率的な経営が不可欠で、その前提になるのが公会計の導入だと考えております。 

 

米子市は、平成28年の赤字解消後に取り組むとの事ですが、その発想自体が赤字体質そのものと言えると思います。

 

 最後になりますが、私たちは今まで経験した事の無い人口減少社会を迎えております。 今までの常識が非常識に変わる事を認識しなければいけません。 持続可能な社会基盤の再構築のため、組織の統合も今後の課題だと考えております。

 

・アセットマネージメントの必要性

 アセットマネージメントとは、一般的に金融資産の管理・運用業務を意味し、90年代頃から道路・橋梁、水道・下水道等のインフラ資産を如何に安定かつ効率よく管理・運営する意味で使われるようになった概念です。 

 

基本的な取り組みとして、事業が抱えるリスクを適正にコントロールしつつ、コスト削減と故障や事故の削減等のパフォーマンスの向上を図る事を目的としています。 

 

下水道事業の抱える問題点として、施設によって管理水準がバラバラ、過去の調査結果が使えない、劣化・故障情報や工事情報が残っていない、システム間の連携が無い、人によって作業手順がバラバラ、台帳の情報が不十分もしくは未整備、維持管理の方針が無い、予算と人員削減で仕事が回らない、計画修繕が出来ない等が挙げられます。 

 

これらの問題点を改善するために、市民に対するサービスの内容と品質の目標を明確にし、目標管理による業務運営を行い、劣化や故障、修繕履歴等の施設情報を把握・評価する事で維持管理や更新の手法を見直し、ライフサイクルコストの低減を図ります。 

 

また、情報を整理・共有する事で業務の標準化を行い、業務の効率性、確実性、安定性を担保すると共に、技術やノウハウの継承を図ります。 

 

そして、計画~遂行~分析・評価~改善のPDCAサイクルを通して、これらを達成する仕組みを構築・運用する事とされており、下水道に限らず市の業務に共通する課題でもあり、今後の自治体運営において積極的な取り組みが不可欠だと思います。 その②に続く。

 

プロフィール



野坂道明(のざかみちあき)
昭和32年4月9日生

議員履歴
■鳥取県議会議員(2015-)
■米子市議会議員(2006-2014)
■鳥取県西部広域行政管理組合議会(2010-2014)

学 歴
昭和45年 米子市立加茂小卒
昭和48年 米子市立第4中卒
昭和51年 烏取県立境高卒
昭和56年 帝京大学経済学部卒

経 歴
■元(財)とっとりコンベンションビューロー西部地区企画運営委員会委員長(理事)
■元(社)米子法人会青年部会副部会長
■元米子商工会議所青年部会長
■米子市消防団河崎分団員
■河崎校区自治連合会顧問
■河崎公民館運営委員会顧問
■NPO法人やまつみスポーツクラブ顧問

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