2010年09月

平成22年9月定例会 各個質問

9月定例会は各個質問が始まり、公会堂問題を中心に連日議論が交わされています。 私の質問は、明日9月24日の10時からで、その日のトップバッターです。 下記の原稿を質問の予定としていますが、当局の答弁しだいでは、その後の追求質問がヒートアップして、毎回の時間が足りません。 中海TVの3チャンネルで当日の7時から再放送をしています。 時間のある人は一回議会の傍聴に来られませんか。 下手なTVドラマより面白いと思いますよ。

私は9月定例会に於きまして、大要3点についてお尋ねします。
初に、建設行政についてお尋ねします。
平成20年のリーマンショック以来、日本経済は深刻なデフレスパイラルから脱しきれず、最近の急激な円高が、更に追い討ちを掛けております。 本市を取り巻く地域経済は、21年度に於いて、8億5000万円もの市税収入の大幅な落ち込みや、また6億1300万円にも上る雇用調整助成金の支給額が示す様に、依然として逼迫した状態にあり、地域経済の活性化策が喫緊の課題だと考えております。

 しかし、国と違って地方の自治体が展開できる施策は、手法的にも、量的にも限られており、短期間で経済効果を上げるのは難題だと言えます。 この様な状況から多額の事業費を投入する公共事業の及ぼす影響は、特に地方の経済にとって、また安心安全な市民生活にとって、非常に大きなものだと私は認識しておりますが、この点についての市長の見解をお聞きします。

次に、観光行政についてお尋ねします。
「ゲゲゲの女房」の放映効果も有り、9月16日現在で、境港市の水木ロードが236万人を超え、水木しげる夫人の実家が在る安来市の大塚町では、今年の3月9日以降で、5万人以上の観光客が訪れています。  

一方、米子市に目を向けますと、歩きたくなるみち5百選の一つで「米子下町と彫刻ロードをたどるみち」は、著名な作家の石造を設置した彫刻ロードや活性化しつつある四日市町、また加茂川周辺の取り組みや、更には米子下町の水木夫妻が結婚式を挙げた灘町後藤家など数々ありながら、これと言った誘客には繋げられず、他市と比べても取り組みの希薄さが目立つ結果となっています。 

また、もう一つの歩きたくなるみちで、「大山山麓、名水と古代のロマンを訪ねるみち」は、伯耆富士と呼ばれる大山と、全国有数の規模を誇る伯耆古代の丘や妻木晩田遺跡、上淀廃寺、更に名水100選の天の真名井など、大自然と数多くの歴史、文化遺産に恵まれながらも、観光資源として、魅力的なメニューが未だ構築されておらず、有効な施策の展開が図られているとは言えません。 

この二つのみちの観光資源としての価値と現状について、市長の認識をお尋ねします。 また中海圏観光に於いて、米子市を拠点都市として確立する為の、特に重要と考える1次交通と2次交通の整備課題をどの様に捉えておられるのか、見解をお尋ねします。

最後に、公の施設について、お尋ねします。
初に学校施設の設備改修についてお尋ねします。 新聞報道もされましたが、小中学校の水道水の供給方式が、建物の屋上に設置する高架水槽方式から、ポンプ加圧方式に変わる事になりました。 この事により、高架水槽に水を貯めておく必要がなくなり、蛇口を捻れば何時でも新鮮な米子のおいしい水を飲めるようになります。 米子市では、まず初に現在改築中の加茂中に導入し、順次、段階的に各学校に設置していくとの事ですが、この件についての市長、教育長の見解をお聞きします。 

また加茂中では、この度の改築の際に、昭和49年に設置された単独処理方式の浄化槽を更新しておりません。 現在の浄化槽法では、合併処理浄化槽が義務づけられており、処理水の水質基準は、現在の合併処理方式で、BODが20mg/l以下と定めてありますが、旧基準の単独処理方式では、BODが60mg/l以下としてあります。 実際に本年6月の浄化槽の水質検査を見ても、BODが22mg/lと現在の排水基準を超えており、加茂中から排出されるこの処理水と生活雑排水は、公共用水域の水質汚染源とも言えると思いますが、市長の見解をお聞きします。
 
最後に、公会堂の大規模改修についてお尋ねします。 公会堂の耐震化の難易度について、事前の調査や検討を十分にして予算化すべきであると、平成20年の12月定例会で指摘しました。 しかし、21年3月の当初予算で耐震調査費が計上され、その後、調査方法の間違いが判明し、6月定例会で補正予算を組んで、その後実施されましたが、本年3月の耐震調査の結果を受け、使用停止の判断が下され、今日に至っております。 

先の7月定例会で、調査方法等については、十分検討される様に再度指摘しましたが、調査方法等が確定出来ず、約束した9月定例会での予算化が見送られました。 この間の経緯について、市長はどの様な見解をお持ちなのか、お聞きします。

以下が追加質問です。1、
建設行政について
☆ 現状に即して規制緩和を図るのは、予算が伴わず、有効な経済活性化策である。
① 委託業務の指名基準について、
これは業者にとって死活問題であり、入札制度に於いて大変重要である。その観点から尋ねるが、下水道工事で大口径推   進工事の設計委託の場合、大手業者と他県の中堅業者を指名し、地元業者の指名が無い。 過去の実績を基に指名して    いるとの事だが、実績に偏重せず、技術的に対応可能な地元業者が在れば、指名すべきと考えるが、見解を聞く。

② 建設委託業務に於いて、米子市の指名業者の基準はどの様に設定しているのか、また業者の実態把握はどの様に調査しているのか、確認する。
1){追求}
2年に1回の自己申告による調査では、正確な実態把握は出来ない。 県では毎年、資格者や技術者の確認をしている。 ま  た標準報酬決定通知書等の添付なども求めている。 さらに技術者の移動の報告義務も有り、違反すると指名停止の罰則規  定もある。 指名制度の観点からも見直すべきと考えるが、見解を聞く。

2、設計労務費の算定基準の見直しについて
④ 県が国交省の告示15号に準じ、報酬基準を見直した。 これを受け、米子市も同様の見直しをした結果、本定例会に五千石住宅、淀江中武道館、図書館の設計委託費の補正予算が上程されているが、物件によっては当初予算から倍になっている   が、その理由を聞く。

⑤ 新営工事の設計監理の委託費については、県に準じて見直したが、その他の委託業務についても同様に見直すべきと考えるが、見解を聞く。

3、委託費の積算根拠の開示について
⑥ 米子市は、測量、設計、調査等の業務委託に於いて、標準歩掛が適用できず、見積もりにより予定価格を設定する様な場 合でも、積算根拠を事前に開示しないが、 予定価格の事前非公表に於いて、入札参加業者がより正確な積算が出来るよう  国、県では、特記仕様書等で歩掛も開示している。 見直すべきと考えるが、見解を聞く。

4、予定価格の事後公表について
⑦ 予定価格の事後公表に於いて、米子市では価格の公表のみで、委託業務の金額入の内訳書などは公表していないが、入札の透明性、正当性の観点から、国、県では事後公表に伴い詳細に開示している。 見直すべきと考えるが、見解を聞く。

5、最低制限価格と受注、指名点の見直しについて
⑧ 県では本年8月より、建設工事の最低制限価格を予定価格の90%に引き上げている。 本市でも早急に見直すべきと考え るが、実施時期は何時を予定しているのか、確認する。

⑨本年6月より、2割非指名制度の受注、指名点を見直しているが、効果は上がっているのか、確認する。
2){追求}
この制度は、該当する全ての入札物件で、適用されなければ効果は望めない。 その為には適時適切な見直しを図るべきと考 えるが、見解を聞く。

6、市街化調整区域等に係る開発許可等の基準について
⑩ 市街化調整区域の既存集落の多くは急速に高齢化しており、地域コミュニチィーの存
続が危ぶまれる中で、米子市条例の幅員4Mの道路要件は、建築基準法が認めるところの2項道路に緩和し、同じ都市計画  区域に於いて、開発の許可基準は県と同じにすべきとの声もあるが、見解を聞く。 

2 観光行政について
1、美しい日本の歩きたくなるみち500選について
⑩ 米子市が有する歩きたくなるみちの2つについて、平成16年の選定以来どの様な取り組みがされて来たのか、また現状の 把握はどの様にしているのか、確認する。

⑪ 米子下町と彫刻ロードをたどるみちは、米子のまちの魅力を知る上で効果的なルートであり、半日以上の時間消費を可能とする。 中心市街地では、四日市町を始めとして魅力ある点が形成されて来ているが、線としては機能していない。 まち歩き  である以上、誘客の前提は、起点である米子駅周辺の駐車場の確保にある。 誘客の為には、市が運営する地下駐車場や  立体駐車場との連携が重要であり、使用料の減免、或は無料化なども検討すべきと考えるが、見解を聞く。

⑫ 大山山麓、名水と古代のロマンを訪ねるみちは、自然、歴史、文化の点で、全国でも有数のコースと言える。 また、風情 ある淀江駅周辺の商店街や淀江漁港等も一つのみちとして成立するだけの魅力を秘めている。 これらを巡るみちでは、一日  以上の時間消費が可能となり、宿泊を伴うため、より高い経済効果が望める。 しかし現状は、閑散とした旧淀江庁舎に象徴  される様に、東の活力とにぎわいの拠点と位置付けた、新市まちづくり計画からは、程遠い状態となっている。 淀江庁舎の機  能強化を検討するとの事だが、新設のガイダンス施設も含め具体的な活用案と、1日から2日滞在の観光メニューを如何に構  築するのか、見解を聞く。

⑭ 本市が通過都市ではなく拠点都市として発展する為に、最も重要と考えられるのは、車対策であり、道路整備にあると思わ れる。 最近の米子市への企業進出も道路アクセスが大きく影響した。 しかし、土日や祭日のR431号や米子道の渋滞は  深刻なもので、米子道は安全面からも早期の4車化が望まれるし、またR431号の渋滞緩和には、米子市の外環状機能を有  する安倍三柳線の4車整備が欠かせない。 この事は、観光は本より、経済活動や社会生活の基盤を成すと考えるが、見解  を聞く。

3、公の施設について
1、学校施設の設備改修について
⑮ 給水方式を変更した経緯を聞く。
 
⑯ 私は先の7月定例会の経済教育委員会で、給水方式の見直しを指摘し、それにより見直しが図られた事は、大変喜ばしい が、問題は担当者間で事業の計画時に、この様な検討がされていない点と、水道局では「米子のおいしい水」を売り出し、水  の良さを誇る同じ自治体でありながら、その認識が徹底されていない点にある。 特に教育委員会としては、学校現場で食育  が叫ばれる中、命の源の水に対して,「米子のおいしい水」を題材に、この地の素晴らしさを教えるべきであり、そう言う意味   に於いて意識が希薄だと言えるが、 市長、教育長、水道局長の見解を聞く。 

2、公会堂の大規模改修について
⑰ 先日の尾沢議員に対し、実質の稼働率が39,9%であるとの答弁だったが、利用実態としてどの様に判断しているのか。

⑱ 国の重要文化財指定は困難との事だが、判断は誰がしたのか。

⑲ 耐震補強費が耐震調査で示した13億6500万円から、大幅に上下しないとの答弁があったが、そうであれば再調査する必 要は無い。 この工事費は設備費と耐震補強費の一般的な概算である。 この度の再調査は、存続の場合、施設の長寿命   化の為の大規模改修が必要となり、その為の調査内容が含まれていると認識しているが、見解を聞く。

⑳ 耐震補強と設備改修のみならず、超寿命化の大規模改修を入れれば、多額の調査費が必要となる。 当然ながら当初の見込みが大幅に増額すると推測するが、現状を聞く。

21、概算の13億6500万円の内、空調、配管等の設備費が5億円程度で耐震補強費が8億5000万円程度と聞いている。 再 調査によりある程度変動するにせよ、大規模改修が加われば、今の概算が増えることはあっても、減ることは無いと考える   のが妥当だと考えるが、見解を聞く。

22、この度の再調査費を含む公会堂に関しての取りまとめは、9月定例会には間に合わなかったが、今後ある程度の機関で出来ると思う。 12月定例会まで引き延ばすのではなく、出来次第、議会に報告すべきと考えるが、見解を聞く。



9月議会質問日決定!

9月24日(金)午前10時~中海TV生中継します。
なお、同日午後7時より再放送されます。(中海TV3CH)

質問内容
1.建設行政について
2.観光政策について
3.公の施設について

1、建設行政について
①委託業務の指名基準について
②委託費の積算根拠の開示について
③予定価格の事後公表について
④最低制限価格と受注、指名点の見直しについて
⑤設計業務費の算定基準の改定について
⑥市街化調整区域等に係る開発許可等の基準について
⑦沿道の土地利用の規制緩和について

2、観光政策について
①美しい日本の歩きたくなるみち500選、鳥取分の活用について
②中海圏観光に於ける一次交通の整備課題と、二次交通の拠点化について

3、公の施設について
①学校施設の設備改修について
②公会堂の大規模改修について


以上の項目です。


美味しくなる小中学校の水道水

小中学校の水道水の供給方式が、建物の屋上に設置する高架水槽方式から、ポンプ加圧方式に変わる事になりました。 この事により、高架水槽に水を貯めておく必要がなくなり、蛇口を捻れば何時でも新鮮な水を飲めるようになります。 米子市では、まず初に現在改築中の加茂中に導入し、順次、段階的に各学校に設置していくとの事です。 

公共建物やマンション等の中層の建物は、高架水槽方式が一般的でしたが、従来から言われてきた事は,水槽に一時的に水を貯めるので、特に夏場などは水が温くなり、いやな味や臭いがするなど大変不評でした。 また水槽内に異物が混入したり、藻が発生したりして、衛生面の問題も多く指摘されています。 この様な理由から、各家庭で浄水器が普及したりして、直接、水道水を飲まない人が増えています。 最近では学校に水筒を持参する生徒が増えたとも聞きます。

この度の、加茂中の給水方式の変更は、そもそも計画には無く、老朽化した高架水槽を単に新しい物に更新するだけの予定でした。 しかし近年、耐震問題が表面化して以降は、高架水槽においても、耐震化が求められており、従来の物より多くの費用が掛かる様になりました。 また建物の屋上に、一定の加重が架かるので、建物の耐震性にも影響を与えます。 従って、高架水槽の更新時には、コスト面、耐震性、そして何より衛生面を考慮して、加圧ポンプ方式に変更するのがより適切だと言えます。 

私は先の7月定例会の経済教育委員会で、上記のことを厳しく指摘しました。 それにより給水方式の見直しが図られた事は、大変喜ばしいのですが、問題は担当者間で事業の計画時に、この様な検討がされていない点と、一方では「米子のおいしい水」を売り出し、水の良さを誇る同じ自治体でありながら、その認識が徹底されていない点にあると思います。 特に教育委員会としては、学校現場で食育が叫ばれる中、命の源の水に対して,「米子のおいしい水」を題材に、この地の素晴らしさを教えるべきであり、そう言う意味に於いて、意識が希薄なのではないかと、私は思います。 

 

これからの水ビジネス

世界最高水準の技術を生かして、日本の水道局の海外進出が加速しています。 東京都がオーストラリア、大阪市はベトナム、北九州市はカンボジアなどでメーカーや商社と連携し、上下水道の建設、運営やコンサルタント業務を手がけています。 

国内に目を向けると、近年、水道水が先端技術により、格段においしくなって来ているとの事です。 従来の塩素などの薬品で処理する方式から、オゾン処理などを取り入れた高度処理に変わったのが大きな理由で、都市圏の川から取水した水でも、ミネラルウオーターに匹敵する水に変える事が出来る様になりました。 これに伴い数年前から、PRも兼ねて大都市の高度処理された水道水をボトル詰で売り出す様になり、大阪市の「ほんまや」、東京の「東京水」などがそれに当たります。 ミネラルウオーターは一般的に500のボトルで100円から200円で、水道水に比べると1000倍から2000倍の価格になります。 このため世界的に水道水を見直す動きが強くなってきています。 

どこでも安全な水が飲める国、これが世界に誇る日本の水道水であり、そのなかでも大山の伏流水を源とした米子のおいしい水は、日本でもトップレベルの水質を有しており、コカコーラやサントリーが目をつけるのも頷けます。 先日の日本高度紙工業の米子進出も、最後の決断は豊富な水資源だったと聞きます。 水環境の悪い中国、インドを初とするアジア、中近東などの現状を踏まえ、これからの世界の特にアジアの水ビジネスに、米子市も打って出る必要があると思います。 陸海空のインフラを活かし、民間との連携を図って、早急にビジネスモデルを構築する為の調査研究に着手すべきだと考えます。

脱ダム宣言の危険

ダム事業の見直しで、現在、国交省でダムなしの新たな治水対策が検討され、25の治水手法が示されましたが、その半数以上の手法は、浸水危険地域の土地利用制限や水害保険などで、初から川が氾濫することを想定した手法だと判明しました。 

今までの「水は川に集め海に流す」と言う治水に対する概念を180度転換するものになっています。  川の氾濫を想定した治水対策を、川沿いの住民が受け入れるとは到底思えませんし、検討の結果、ダムの必要性が再認識されるのではないかと私は思います。 また、流域の経済規模や国家機能の集中度により、扱いを変えるかどうかと言う線引きの議論も今後されるとの事で、もしそうであれば、人の命をどの様に考えた治水対策なのか、国民にはっきりと説明して頂きたいと思います, 

「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズガ,なんとも空々しく聞こえて来るのは私だけでしょうか。


プロフィール



野坂道明(のざかみちあき)
昭和32年4月9日生

議員履歴
■鳥取県議会議員(2015-)
■米子市議会議員(2006-2014)
■鳥取県西部広域行政管理組合議会(2010-2014)

学 歴
昭和45年 米子市立加茂小卒
昭和48年 米子市立第4中卒
昭和51年 烏取県立境高卒
昭和56年 帝京大学経済学部卒

経 歴
■元(財)とっとりコンベンションビューロー西部地区企画運営委員会委員長(理事)
■元(社)米子法人会青年部会副部会長
■元米子商工会議所青年部会長
■米子市消防団河崎分団員
■河崎校区自治連合会顧問
■河崎公民館運営委員会顧問
■NPO法人やまつみスポーツクラブ顧問

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