去る9月30日、9月定例会の全ての日程が終了した。 今議会に上程された議案、予算案ともすんなりと可決され、これと言った争点の無い議会だったのだが、その中では青年経済団体から提出された「東山運動公園内の施設、環境整備を求める陳情」について、本会議から常任委員会まで徹底的に追求した。 その一端は新聞でも報道され通りたが、ここではもう少し詳しく報告し、一人でも多くの皆さんの理解が得られれば幸いだと思う。 それでは本議会での質問内容と答弁、それに対して私の見解を述べていきたい。

1)公共下水道汚泥の処理問題について
 下水道汚泥に関して、米子市を含む2市3町1村は、現在エコスラグセンターでの処理をおこなっていない。 この件では、会計検査院から「西部圏域全体の下水道汚泥処理を、「平成23年以降どうするのか示せ」と言う指摘を各市町村が受けており、中でも米子市はどの様な判断をするのか、最終処分場の延命化問題も踏まえ多角的に質問をした。

問題点
①米子市の下水道汚泥の焼却炉は老朽化しており、再稼働するには、修繕費が約8億円程度かかるため、19年から汚泥処理は、他県でセメント原料化、コンポスト化していた。

②一方、汚泥の焼却灰を減量化、資源化するためにエコスラグセンターを平成16年から稼働させていたが、エコスラグセンターは、溶融炉のみで、焼却炉がないため、焼却灰でなければ搬入できない。 従って、上記の理由により平成19年からは、米子市等では、同センターに一切搬入していない。

③エコスラグセンターの建設費は、殆どの部分は環境省の補助だが、一部(約3.5億円程度)は、下水道汚泥の処理の観点から国交省の補助金を受けている。 しかし実態は、上記の理由により活用されていない。 会計監査の指摘は、地域の実状にあった、汚泥処理の方向性を示せと言う内容で、それによっては西部広域の各市町村に対して、補助金返還と言う問題が当然出てくる。

④米子市にとって、老朽化した焼却炉に、多額の費用を掛けるのは非現実的であり、仮に新設の場合、30億円以上掛かるので財政的に困難である。 

結論
 汚泥処理を含むゴミ処理の問題は、より全体的、総合的に考える必要があり、最終処分場の延命化を 図る観点からも、セメント原料化、コンポスト化は有効であり、焼却灰を約1300度で溶融して出来るス ラグの活用(路盤材として公共工事で使用)も意義がある。 ゴミ処理の考え方は、減量化から資源化 と大きく変わってきており、地球温暖化を防ぐため、温暖化効果ガスの総量抑制の観点からも、資源化 の促進は重要な施策だと考える。

2)ダンピング入札防止と制度の見直しについて
20年度の総合評価の落札率を見ると、殆どが85%の最低制限価格に張り付く状況であった。 21年度、最低制限価格の上限値を撤廃したが、改善は見られない。 この現状を打開する意志はあるのか?確認の意味で質問した。

①最低制限価格の上限値を撤廃したのは評価できるが、今の計算式であれば、結果的に85%前後の  数値にしかならないため、くじ引き入札は減るものの、ダンピング防止とまではいかない。

②現在、予定価格も最低制限価格の計算式も事前公表しているため,当然のごとく最低制限価格に集中 する。 また積算をしなくても価格と計算式が公表されているため、ダンピング入札を誘引する結果とな っている。

結論
 現下のダンピング入札の弊害を防止するには、事前公表を止める、最低制限価格の計算式を見直す、 この事しか有効策は無いと考える。 その意思はあるのか!マニフェストの公約は何なのか!今後とも 強く市長に訴えていきたい。

3)東山競技場の整備課題と活用について
東山陸上競技場は、2種競技場の公認時期が平成24年に迫っていて、トラックの改修だけでも約3億円程度かかる。 施設は、多目的便所やスロープ、エレベーター設置等の障害者対応が出来ていない上、スタンド、照明等の機能面でも不十分である。 加えて、防災面での機能強化の観点からも、より適切な施設整備を求めて質問をした。

①東山陸上競技場のトラック改修の費用は、基本的に補助対象にはならないので、約3億円全額が市の 持ち出しとなる。 一方、スタンド改修、照明改修等の大規模改修費用は焼16億円程度掛かるが、防災公園の機能強化整備の補助事業の活用が可能となるため1/2の補助金を受けられると提案した。

②トラック改修だけだと、補助を受けれない上、起債対象にもならない為、全額一般財源からの持ち出し  となり、一般会計を著しく圧迫する。 一方、トラック、スタンド、照明等の大規模改修に 踏み切った場  合、全体を約20億円とし,1/2が国の補助金、残り1/2は合併特例債を充当すれば、米子市の実質負  担額は3億円~4億円程度で、しかも、それを20年間で償還すればいいので、単年度の一般会計に及ぼす負担は極端に軽減される。

③米子市の見解は、この度の大規模改修の提案は、国の補助は受けれない、従って米子市の財政状況では困難である。 但し、トラック改修だけは、スポーツ振興の観点から実施したいとの答弁であった。 

結論
まず初めに、国の補助要件を、これと言った調査もせず、出来ない理由を並べ立てる当局の姿勢に落胆させられる。 そして、国の補助要件や財政状況を理由に、どの様にしたいのか、政治的判断を示さない市長の態度も納得できない。 この続きは12月定例会で徹底的にやりたいと思う。