激しかった米子市長選も終わり、この頃は平穏を取り戻した感がある。
3期目の現職に対し、ベテラン市会議員と県の要職を歴任した職員が戦う三つ巴戦で、各候補にとって熾烈を極めた戦いでもあった。

また、今回の選挙戦ほど、マニフェストが注目された事は過去に無かった様に思う。 各候補がマニフェストを掲げ支持を訴えたが、その割には投票率を見ても解る様に、盛り上がりを欠いたのは否めない。
何故盛り上がらなかったのか?
幾つかの理由は有ると思うが、大きな争点が無かった、或は作れなかったと言うことではないかと私は考える。
安来市や出雲市の様に市を二分する様な熱い議論は無く、各候補がマニフェストを通して支持を訴えるものの、総花的で実現性に乏しいものや、抽象的で具体策に欠けるもの、さらには現職に於いても、堅実性は理解するが夢の感じられると言うものではなかった。
その様な中、米子市民は野坂市政の継続を選択した。
全国的に見ても平成の大合併後の自治体運営に対し、様々な不満が選挙結果として表面化し、概ね現職にとっては逆風の中の選挙戦であったと思う。
米子市に於いても、財政再建に邁進した野坂市政の4年間に対し、市民の不満が他候補への投票行動として現れた。
NHKの出口調査によると、野坂市政に対し財政再建は評価するものの、子育て支援、経済の活性化の面で不満が強かった。
このことを真摯に受け止め、市政運営に反映するのは言うまでもないが、先日の知事の発言は如何なものかと思う。
いずれにしても市民の信任を得た以上、野坂市長には堂々政策の実行に全力を上げられ、米子市の活性化にて繋げて頂きたい。